BIHOU、DABAO、PINGLAI、RUILONGの4エリア、約240課題を写真とイラストで収録。フルカラーで言語は中国語と英語で書かれています。
著者の意向
著者のRoger氏は、たびたびボルダーを登りに日本に訪れている根っからのクライマーです。そんな彼から、
「昨年日本を襲った大型台風ハギビスによる全国の被害に心を痛め、ちょうど出版を予定していたこのガイドブックの売り上げを被災した岩場の復興に寄付したい」
といった要望を、親しい友人である弊社山本に連絡をもらい、第一弾の発売は東京粉末から行うこととなりました。
弊社ではRoger氏からの仕入れ費用は無く、一切の金銭取引はありません。弊社では、このガイドブックの売り上げ全てをRogerの要望の通り、岩場の復興支援として寄付いたします。また、Roger氏の想いに応えるべく、売上金額と同額を、弊社からも台風被害支援金として寄付いたします。
山本です。著者のロジャーと今回の経緯について少し書かせていただきます。
ロジャーとはここ10年ほどの付き合いですが、台湾の岩場をこよなく愛するクライマーです。見た目や登り方とは裏腹に、その純粋さには会うたびに心を打たれています。自分にとってのクライミングというものが、一緒に台湾の岩で蜂に刺されながらバーベキューをした時から、大きく変わったように思います。ロジャーは僕にとって最高の友人の一人です。
そんな彼から連絡を受けたのは昨年の台風19号の直後で、大好きな日本に何かできることはないか、トポを売った金額を託すから何かに役立ててくれないかと、そういうメールでした。このトポは台湾のボルダーに沢山のクライマーが集う未来を夢見るロジャーが、自費で出版したものです。部数も少なく、病院勤務で貯めたお金を使い切ってしまったそうです。貯金が少ないことは突っ込まないでくださいよ。それは万国共通。どこの国のクライマーも一緒です。
あの台風のあと、奥多摩周辺の岩場はほぼ壊滅的な状態で、現在でも岩場へのアプローチはいたるところで道路が崩れたままです。これから奥多摩でクライミングを通して色々な経験をされる予定だったであろう方々のことを考えるとなんと寂しいことかと思います。埋もれたプロジェクト、原生林(だいたいは鬱蒼とした杉林)の中で味わう個性溢れるボルダーたち。無くなって初めてその貴重さを痛感しています。
こんな大きな被害は忍者返しが登られる以前から考えても初めてではないでしょうか。あれから数ヶ月。どれだけの日本のクライマーがこの災害のための援助や協力ができたのでしょう。全体の1割にも満たないことだろうと思います。それが、隣の台湾から、岩を愛するためだけに貯金を投げ打って作ったトポで協力したいと言うロジャー。いままでよりも一層増して、彼のことが好きになりました。
台湾には大西さんをはじめ、近年数名の著名なクライマーが訪れて開拓をされたり、クライマーと交流されたり、夜の街で遊んだりされているようです。素朴で素敵な岩場ばかり(それも台北から1時間とか2時間とかでいける)なので、ぜひ一人でも多くの方に行ってほしいと願います。
ちなみに寄付先に関しても色々思うところはありますが、今のところJFAに台風の被害からの復興資金として寄付する予定です。
東京粉末様引用